令和2年7月豪雨球磨川水害伝承記

後代に残す記録

気象・出水の概要

2.出水概要

(1) 国管理区間

球磨川流域地図

球磨川本川及び支川川辺川(国管理区間)における萩原、渡、人吉、柳瀬の各水位観測所ではいずれの観測所においても昭和40年7月洪水や昭和57年7月洪水を上回る水位を記録するとともに、観測開始以来最高の水位を記録しました。

観測水位の比較

萩原水位観測所

S29.5より自記観測開始

柳瀬水位観測所

S26.7より自記観測開始

渡水位観測所

S40.7は普通観測値。S54.4より自記観測開始
※R2.7豪雨:7月4日7:30以降欠測

人吉水位観測所

S26.11より自記観測開始
※R2.7豪雨:ロガーデータにより水位を補完/7月4日8:30以降欠測

国管理区間の観測水位グラフ

萩原観測所(国)球磨川6.66km

横石観測所(国)球磨川12.77km

大野観測所(国)球磨川39.86km

渡観測所(国)球磨川52.64km

人吉観測所(国)球磨川62.17km

一武観測所(国)球磨川68.71km

柳瀬観測所(国)川辺川2.27km

多良木観測所(国)球磨川84.13km

  • 図中のグレー字表記の値はピーク欠測のため参考表示
  • 図中のピンク色波形は後日ロガーデータで補完したもの
【計画高水位】
堤防などをつくる際に洪水に耐えられる水位として指定する最高の水位。
【氾濫危険水位】
洪水により相当の家屋浸水等の被害を生ずる氾濫の起こるおそれがある水位。市町村長の避難指示等の発令判断の目安。 
【避難判断水位】
住民に対し氾濫発生の危険性についての注意喚起を開始する水位。市町村長の避難準備・高齢者等避難開始の発表判断の目安。
【氾濫注意水位】
増水時に災害が起こるおそれがある水位。河川の氾濫の発生に注意を求めるレベルに相当する。
【水防団待機水位】
水防団が待機する水位。

(2) 県管理区間

県が管理する球磨川流域の支川では、万江川や胸川、川辺川で氾濫危険水位を超えました。川内川と小川も氾濫開始水位※を超過しており、危機管理型水位計の観測可能ラインを超える水位に上昇したため、数時間にわたる欠測が生じました。

氾濫開始水位:危機管理型水位計設置地点付近で氾濫が発生するおそれのある水位

熊本県管理区間の支川の観測水位グラフ

①川内川 宮園橋(県・危)(背水区間)

②小川 小川橋(県・危)(背水区間)

③万江川 万江川観測所(県)(自流区間)

④胸川 胸川観測所(県) (自流区間)

⑤川辺川 県川辺観測所(県) (自流区間)

⑥銅山川 池の王橋(県・危)(自流区間)