令和2年7月豪雨球磨川水害伝承記

後代に残す記録

災害対応

5.港湾の応急復旧

(1) 国による港湾施設の一部管理

豪雨の影響により、八代港で漂流物や土砂の流入が確認されたため、港湾管理者である熊本県の要請に基づき、港湾法第五十五条の三の三の規定により、九州で初めて国土交通大臣による港湾施設の一部管理を実施しました。

7月10日から速やかに漂流物調査や深浅測量を行い、海洋環境整備船等による漂流物回収などを行って、港湾機能の速やかな確保を進め、8月9日に終了しました。

なお、航路・泊地における沈殿物による浅所については、災害復旧事業で除去する予定です。

河川から八代港に流入した土砂による濁り

深浅測量の実施状況(7月12日)

漂流物回収状況(7月17日)

漂流物回収状況(7月17日)

漂流物回収状況(7月17日)

大型貨物船の利用状況(7月15日)

(2) 漂流物回収

球磨川等から大量の流木等が流入した八代港では、航行船舶の安全確保及び海洋環境保全のため、九州地方整備局が海洋環境整備船「海煌」「海輝」「がんりゅう」を投入し、対応にあたりました。

また、災害協定団体とも連携し、(一社)日本埋立浚渫協会と九州港湾空港建設協会の台船が漂流物の回収支援を行ったほか、海洋環境整備船が回収した漂流物を協会の台船が受け取るなど、漂流物の陸揚げ時間を短縮し、回収作業を効率化しました。

更に、港湾業務艇「かがしま」による海面調査や、TEC-FORCEによる漂流物・漂着物調査を行い、漂流物回収ポイントを特定して迅速な回収に役立てたほか、海洋環境整備船が回収できない浅海域の漂流物は漁業者が漁船で回収し、「海輝」及び支援台船が受け取る連携回収も実施しました。

このような取り組みの結果、7月4日から31日までの28日間で、八代海及び有明海における昨年1年間の回収量の約12倍にのぼる15,883m3の漂流物を回収しました。

令和2年7月豪雨災害の漂流物回収量(有明海、八代海) 令和2年7月31日現在

漂流物回収の主なポイント

7月5日 海煌による流木回収

7月7日 陸揚げした流木の切断作業

7月8日 海輝による漂流ごみ回収

7月11日 支援台船による漂流ごみ回収

7月16日 海輝による流木回収

7月17日 陸揚げした漂流ごみ